とよのわたし研究室(第2期) 総集編レポート|前編
豊能町とこころ館の共同プロジェクト「とよのわたし研究室」の第2期講座が終了しました。今回から3回にわたり、半年間の講座(全6回)と発表会の様子をお伝えしていきます。
大阪府北部に位置する豊能町は、豊かな自然に囲まれた山間のまちです。
自然のなかに閑静な住宅街が立ち並び、
「“いなか”の顔と “まち”の顔を併せ持った町」として
ファミリー世帯やシニア世代のみなさんに支持されています。
http://www.town.toyono.osaka.jp/file/handbook/html5.html#page=1
▲豊能町PR動画「とよのデイズ」
一人ひとりが自分に合った暮らし方ができる「福(しあわせ)に包まれたまち」、豊能町。
約2万人の人々が暮らすこの町で、今、国や大阪府を上回るスピードで「人口減少」「少子高齢化」が急速に進行しているのをご存知でしょうか?
高齢化率は44.4%。
合計特殊出生率は、かつて全国ワースト3位になりました。
これからも町の人口は、着実に減っていくことが予想されます。
そんな地域だからこそ、
町の資産である「人」を大切に、
地域に暮らすひとりひとりが自分らしく幸せに生きられる町にしたい。
そんな豊能町職員さんの想いから始まったのが、地域の女性の“これからのわたしらしい生き方”を発掘する連続講座「とよのわたし研究室」なのでした。
合言葉は、わたしが変われば、地域が変わる。
昨年度行った第1期の講座からは、まさにその言葉を体現するような新しいアクションが生まれています(詳しくは次回のブログにて!)。

2期目を迎えた今回は、
「今よりもっとわたしらしい生き方を探求したい」
「自分自身の生き方を見つめ直したい」
そんな人生の分岐点に立っている女性を対象に参加募集を行いました。
そして、11名の方々が「研究生」として講座を受講してくださったのでした。

この講座の対象は、地域の住民さんだけではありません。
豊能町役場で働く職員さんも、研修の一環として講座に参加されています。住民さんと職員さんが共に学ぶことで、お互いの立場を理解することにつながるという考えのもと、「とよのわたし研究室」は住民/職員合同の学び場としても設計されているのです。
今回は3名の職員さんが「研究生」として受講してくださいました。
自治体が提供する講座のなかで、このように住民さんと行政の方が一緒に学ぶケースというのは、全国的にも珍しいようです。
【関連記事はこちら】「とよのわたし研究室」はこうして生まれた。役場職員さんたちのアナザーストーリー

2019年6月、いよいよ講座がはじまりました。
研究生のみなさんが、緊張の面持ちで会場に足を踏み入れます。
はじめに「なぜこの講座に参加しようと思ったのか」をみなさんにお尋ねしたところ、
「これまで楽しく働いて生きてきたけれど、わたしの人生、今のままで本当にいいのかなと迷っていたところだったので、思い切って参加してみました」
「子どもに対して感情的になってしまうので、立ち止まる時間を持って、自分を取り戻したいと思いました」
「自分の夢を見つめ直したいと思っています」
などのお答えが返ってきました。すべての方に共通していたのは、「この講座で、これからの未来を自分らしく生きるための何かを掴みたい」という強い意志です。みなさんの覚悟を感じて、背筋が伸びる思いがしました。
「とよのわたし研究室」第2期は、全6回の講座と発表会で構成されています。講座を通して「わたし」について研究し、最後にわたし研究から生まれた「研究テーマ」を発表する機会をつくっています。

わたし研究は、“自分とはどんな人間で、何を感じ、何に心が動かされるのか”という根源的な問いから、これから叶えたいわたしらしい未来を発見していくプログラムです。
そのためにまず、普段外に向いている意識を自分に向け直すこと、そしてこれまで無自覚になっていた自分の感情に気づいていくことを通して、自分のことを深く理解していきました。

自分を深く理解していくことで、自分がどのような価値観を持ち、どのように世界を見ているのかが理解できるようになります。
「自分ってどんな人だろう?」と深掘りしながら「わたし」について研究することで、本当に自分が大切にしているものや実現したい未来が少しずつ見えてくるのです。
「みなさんがより自分らしく、本来持っている可能性を発揮して生きてほしい」という願いを込めて、私たちも毎回プログラムを練り直していきました。

「わたし研究」を進めるなかで、たくさんの気づきが研究生のみなさんに生まれる様子を、そばで見せていただきました。
なかには、これまで気づいていなかった、自分の本当の気持ちに気づいた方や、
ずっと蓋をしていた感情があふれ出した方もおられました。
自分を不自由にしていたマイルールから解放されて、
本来のその人が持っている“らしさ”に出会う瞬間は、とても感動的でした。

わたし研究室では、プログラムの最後に、これからの叶えたい未来であるMISSIONを「研究テーマ」として見つけていきます。
「とよのわたし研究室」最終講座(第6回)では、「わたしの研究テーマをつくろう」というワークを実施。そこから11の研究テーマが誕生しました。
ここで生まれたテーマは「研究テーマ発表会」で地域内外のみなさんと共有していきます。
2期生のみなさんは、どんな研究テーマを発見されたのでしょうか?
気になる「研究テーマ発表会」の様子は、中編に続きます。