• こころ館研究員

「とよのわたし研究室」はこうして生まれた。役場職員さんたちのアナザーストーリー


こころ館が企画運営を担当させていただいおります、「とよのわたし研究室」。

これは大阪府豊能町が主催する、公的な事業です。

この珍しい取り組みがいかにして実現し、どのように発展してきたのか?

今回は「とよのわたし研究室」の立役者・女性活躍室の南さんをはじめとする豊能町職員のみなさんにスポットを当てました。


時をさかのぼること2017年4月、豊能町に新たな部署が立ち上がりました。

その名も「女性活躍室」。職場や地域で、女性の活躍を推進する支援を行う部署です。

そして、そのリーダーに抜擢されたのが、住民人権課の南さんでした。

しかもメンバーは、住民人権課課長との2名体制。

果たして何から始めたらいいのか?この時点で、具体的に何を行うか、はっきりとは決定していなかったそうです。まず、女性活躍について庁内を横断的に検討するチームづくりから始めました。プロジェクトチーム・ワーキンググループ(WG)を立上げたのですが、なかなかスムーズにいかなかったそうです。

考えあぐねていた先にようやくたどり着いたのが、地域において最も基礎になっていて大切な存在である、人の育成という新しい地点でした。それが、こころ館の「わたし研究室」だったそうです。


▲豊能町住民人権課 女性活躍室・南小百合さん。こころ館代表の松原は、初めて南さんにお会いした時に「純粋でまっすぐな職員さんだなぁ」と感じたそうです

わたし研究室は、その人が本来持っている可能性を引き出し、これからの”わたしらしい生き方”を見つけるためのプログラムです。そのために、全5回の連続講座で、じわじわと丁寧にその人らしさを育んでいきます。

しかし、それはとても時間がかかることでもあります。

また、それぞれが持つ可能性がどんな風に生まれてくるかは予想もつきません。

もしかしたら、何も生まれないかもしれない。

それでもこころ館は、可能性を信じて、本人の中から”わたしらしい生き方”が生まれるのを待つ、ということを大切にしてきました。

そんな未知のプログラムなので、主催する自治体にとってはかなりハードルが高いように思うのです。しかもゴールが設定されているわけではないので、成果も見えづらい。

それでも、南さんをはじめとする役場のみなさんは「豊能町の住民さんが、自分らしく生きることで幸せになってほしい。自分らしく生きる人でいっぱいの豊能町をつくりたい」という強い想いで、この「とよのわたし研究室」をスタートさせました。


▲豊能町住民人権課課長・浅海毅さん。さり気なく全体をフォローする、安心感の源です

さらに、「とよのわたし研究室」を支えるメンバーとして、部署を超えた12名の有志職員のみなさんによる「ワーキンググループ(WG)」が協力し、対話を重ねながら「とよのわたし研究室」の準備を進めていきました。


▲ランチミーティング


▲まずは職員さんたちで「ミニわたし研究」。事業を届ける立場だからこそ、まず自分たちでわたし研究を体験しました


▲秘書政策課の江﨑さん。この方との出会いがなければ、「とよのわたし研究室」は生まれなかったでしょう

そして10月、いよいよ「とよのわたし研究室」がスタートします。

さらに新たな試みとして、この講座には南さんを含む4名の職員さんも研究生(受講生)として参加することになりました。

行政の立場で、住民さんに混じって講座を受ける、という事例はこれまでになかったようで、最初は不安げな様子もあったみなさん。

しかし、住民のみなさんの本音や生の声を聞くことで、今まで以上に「豊能町職員として何ができるんだろう」と考え始める姿がありました。



▲講座がはじまる前のミーティング風景。白衣を着ているのが、研究生になった職員さんです


▲受付では、いつもさわやかな笑顔でお出迎え


▲研究生としても、すっかりなじんでおりました

最終回の講座では、職員さんが発表を終えたあと、住民のみなさんからこんな声があがってきました。

「役場の方をこれほど身近に感じたのは初めてです」

「もっと職員さんたちが表に出て発信してほしい!」

さらにこんなコメントも。

「ここに参加できて本当によかったです。豊能町に住んでよかった」

「これからは私たちも、できることは一緒にさせてもらいたいです」


「住民」「職員」という立場を超えて語り合う機会はなかなかないことだと思います。

でも「わたしを研究する」という共通テーマで集まったみなさんは、いつしか打ち解け合い、”これからのわたしらしい生き方”を分かち合うなかで、一緒によりよい豊能町をつくっていこうという深いつながりが生まれているようでした。

それを見ていた「とよのわたし研究室」に関わる職員さんたちもまた、講座から生まれた住民さんたちの研究テーマを実現するためにはどんなサポートができるのか、講座が終わってからも真剣に考え続ける姿が。

この純粋さこそが「とよのわたし研究室」の原動力なのかもしれません。


▲スタッフのみなさんとともに!

以上、とよのわたし研究室の番外編でした。

豊能町役場の皆さま、いつも本当にありがとうございます。

一般社団法人こころ館/青山絵美


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