• こころ館研究員

自分を見つめ直す大切なひととき


 教育現場でのママたちの学び場、第4回「ママ朝カフェ」を2017年12月13日(水)に開催しました。昨年9月から「過干渉」をテーマに実施してきたこの講座も、早いもので次が最終回となります。今回は、14名のママが参加されました。

忙しい日常から少し離れ、自分の子育てについて見つめ直す時間を重ねてきた4ヶ月。参加したママたちの子育てや生き方に、少しずつ変化が現れています。


|心に耳を傾ける

 講座の冒頭では、この1ヶ月をふり返って今話したいと思うことを順番にお話しいただきました。

前回「自分の心の動きに意識を向ける」という宿題が出ていたので、それを実践されたことや気づきを話されるママが多かったようです。

3名のママのコメントをご紹介します。

Aさん:

「子どもに腹が立った時に、一旦キッチンで冷静になって心を観察してみました。

そうすると、イライラして自分の感情で怒ってる時と、子どものためにしつけとして叱っている時の自分の感情の違いがわかってきました。怒ると叱るは違うということを聞いたことはあったけど、今回それが体感としてわかりました。

また、仕事が忙しい時や体調が悪い時に、主人や子どもに嫌味っぽい言い方をしてしまっている自分にも気づきました。感情的な言い方をすると、相手も嫌な感じで返してきますが、普通に話せた時には相手も笑って返してくれるように思います。」

Bさん:

「子どもに感情的に怒っている時に『あれ?私なんでこんなに感情的になってるんだろう』と思って自分の内側に意識を向けてみました。そうすると怒るまでには段階があって、自分が言ったことに対して、子どもが何かに没頭していて返事が返ってこなかったりする時に、自分が “すごくさみしい思いをしている” ということに気づきました。何度もそういうことが重なると、最後に爆発して感情的に子どもに怒ってしまっていました。改善策として、子どもが何かに没頭してる時には、感情的にならずに、時間だけを伝えるようにしました。そうすると、子どもが自分で考えて次の行動をとるようになりました。」

 自分の内面を観察する習慣がついてくると、自分の状態や、その原因がわかるようになっていきます。女性は、ついつい感情で子どもや家族に当たってしまうものです。それをなるべく減らすためにも、自分の内面を観察することはとても大切です。


 また、これまでの講座では「過干渉」について学んできました。自分の行動や言動は、もしかしたら過干渉になっているかもしれないと気づかれ、改善のためにチャレンジしてこられたママもいらっしゃいます。

そんなママのコメントです。

Cさん:

「回を重ねるごとに楽になってきています。以前は子どもに対してとても口うるさく言っていました。子どもの宿題、テスト勉強、全部を見てチェックしてきました。でもそれを一切やめました。今はテストの前に、子どもが「ここは大丈夫」って言ったら「じゃあ頑張ってね」とだけ伝え、テストが終わってからも「ここ間違ってたわ」って子どもが報告にきたら、「そっか、じゃあまた覚えておけばいいやん」って言えるようになったんです。そんな今の自分がすごい楽なんです。以前の私だったらそんな時も感情的に怒り、子どもも部屋に閉じこもったりしてました。今はそういうことがなくなり、すごく穏やかに過ごせています。下の子がまだ幼く、寝かしつける時にも「僕も抱っこ抱っこ」って甘えてこられることに対し、前の私は常にイラっときていました。でも、事情をきちんと説明するようにしたら、今は一人で本を読んだり絵を書いて待ってくれるようになり、時間になれば自分で寝るようにもなりました。それもすごい楽です。」

「楽」という言葉を連呼されたこのママは、以前に比べ表情がとても明るくなられました。以前の行動も、子どもを大事に思い、子どものためを思っているからこその行動でしたが、自分も子どももがんじがらめになり苦しかったようです。今は、子どもを信じ見守る姿勢に変わり、ママも子どもも楽になられました。

松原は、「循環が逆になると、自主的に子どもはもっと可能性を発揮するようになりますよ、嬉しいよね、よかったね!」とフィードバックしていました。


|子育ての極意はプロデュース力

メインワークは、皆さんから無記名で質問を集めて、それに松原がお答えしました。

いくつかのQ&Aをご紹介したいと思います。


【Q. しつけと過干渉との線引きが難しい】

A. しつけは、社会に出て生きていく上で必要な人間教育です。過干渉は、「あれしてはだめ、これしてはだめ」と “なぜ” を伝えずに、子どもに干渉しコントロールすることです。つまりこの根底には、自分の思い通りに子どもを動かしたいという親の姿勢があります。人のお家にお邪魔した時に靴を並べるということも、「なぜ靴を並べるのか」をきちんと納得できるように伝える。干渉し、言葉でコントロールするのではなく、社会に出た時に困らないよう「なぜそうするのか」を伝え、言われなきゃできないではなく、その子が自ら行動できるよう促していくことがしつけです。  

【Q. 子育てする上で一番大切なことは?】

A. 子どもの個性をまず親がしっかり理解してあげて、この子がイキイキと素敵な大人になるためには、どんなプロデュースをしていけばいいのだろうと思いながら育てることです。その子の個性を光らせるように心がけ、例えばお手伝いを進んでできる子には「これがリーダーシップに繋がるんじゃないか」とイメージをして、その個性をどう伸ばすかを考えてみてください。あと自分で決めるという自己決定の力も、私自身の子育ての中でも大切にしてきたことの一つです。

【Q. 3歳の頃から爪を噛む癖があります。心理的な影響と考えた方がいいですか?】

A. うちの息子が小学生の時にも爪を噛む癖がありました。野球をやっていたのですが、試合前など不安が募ると爪を噛んでいました。大学生になった今はもうしていません。不安や緊張で噛んでしまうというのであれば、爪を噛むということで不安を逃しているのです。まずそれを理解した上で「緊張してしまうこの子が、どうすれば強くなれるのか」という風に考えて、あまり大きく捉えずにそのサインを子育てのヒントにしてみてください。

布団や毛布の端っこを噛んだり触る癖があるお子さんは、甘えたい欲求が強いのでいっぱい甘えさせてあげてください。お風呂に入った時などに話を充分に聞きながらスキンシップを心がけ、甘えの欲求を満たしてあげましょう。そうして安心感が増すことで、徐々にその癖はなくなってきますよ。

【Q. 子どもを怒り過ぎてしまった時、どうすればいいでしょうか?】

A. これは、素直になることしかないです。「親だから」という気持ちが私たちは中々取れず謝れないものです。でもそこで「ごめんね」って素直に謝れる方が、子どもにとってはすごくかっこいい親なのです。そうすると、子どもも自分が悪い時には素直に謝れる子どもになりますよ。だから親も素直になりましょう。

【Q. 子どもの癇癪(かんしゃく)にどう付き合うか?】

A. 混乱してる時や、追い詰められてる時、キャパオーバーして子どもは癇癪を起こします。癇癪は「ママ、助けて!」という子どもからのサインです。ということは、子どもの気持ちを受け止めなだめてあげるような声がけや、気持ちが楽になるようにリセットしてあげることが大切です。追い詰められてキィーッとなっている時に、怒っても子どもは逆に寂しさが増すだけです。癇癪を起こしている時には、親は冷静になり火をつけないことです。

 質問票は無記名で提出いただいたにも関わらず、「これうちの子のことなんですけど」と名乗り出られるママが多かったことが微笑ましかったです。

いつしか、隠し事のいらない本音で語り合える空間になっていることを嬉しく感じました。


|「ママ朝カフェ」で子育てのレシピ共有

 参加されているママたちから、自分とは違う考えを聞けることがこの講座の醍醐味の一つだという声をよくお聞きします。今回のチェックアウトでも、「お料理教室で習ったお料理を家でも作ってみようと思うみたいに、他の方の子育てのやり方を聞いて、よし!自分も試してみようと思う子育てのレパートリーがまた増えました。」と、あるママが仰り、皆さんの共感を呼んでいました。

 次回のママ朝カフェは1月17日(水)です。 期間はたった半年ですが、ママ同士の繋がりはとても深くなっています。最終回はティッシュの箱を用意せねば!です。笑


37回の閲覧