• こころ館研究員

本音で語り合える空間



 9月からスタートしている教育現場での母親対象の学び場「第3回ママ朝カフェ」が11月15日に実施されました。

この講座は月に一度のペースで「過干渉」をテーマに全5回で実施しています。残すところあと2回となりました。急激に冷え込んだためか、病欠の方が多く今回は11

名のママが参加されました。


 前回の講座で、“成功する子育て”というTedのプレゼンテーションを視聴し「お手伝い」をすることことの大切さを学びました。そのプレゼンテーションでは「人の気持ちを汲み取る能力」や「他者への愛情」がお手伝いによって育まれるということが述べられていました。そこで皆さんには、どうすれば子どもが自主的にお手伝いをするようになるかを考え、実践していただくことにしました。

 講座の冒頭では、皆さんの取り組みについて発表をしていただきました。お手伝いの内容は、布団たたみ、夕食の準備、お風呂掃除など、内容はご家庭によって様々でした。取り組みスタート時は、ママたちの手を煩わせることが多く苛立ちを隠せずにいたようです。徐々に工夫を重ねることで、子どもたちが自主的にお手伝いに取り組めるようになったそうです。

 Aさんは「お手伝いってどんなこと?」と、子どもに質問しました。すると「自分で自分のことができるようになることがお手伝いだと思う」と1年生のお子さんが答えたそうです。それからは自主的に、ランチョンマットを敷いてお箸を並べるようになり、ママは大喜びでした。


 日頃から積極的にお手伝いをしてくれる娘さんを持つBさんは、子どもの様子をじっくり観察したそうです。子どもは思っていた以上に家族に気を配り、お手伝いをしていたという事実に気がつきました。 Bさんは、今まで気づかなかった娘の家族に対する思いやりに気づき、愛おしさがこみ上げてきたそうです。「いつも、ありがとう」という言葉が自分の中から溢れ伝えると「ありがとうなんていらんで」という返事が子どもから返ってきたそうです。Bさんはこれまで、子どもに対する接し方について悩まれていましたが、子どもの行動を観察することで、本当の子どもの姿が見えたようです。このエピソードを語っている時、Bさんはとても穏やかな優しい表情をされていました。まさに愛情が育まれていることを感じるエピソードでした。



 数日前に手術を受けたことを明かしてくれたCさんは、子どもが自分の入院中に、何も言わなくても家事をこなしてくれたことを発表されていました。Cさんは、一人娘に対し口うるさく干渉してしまう自分について悩まれていました。しかし病気になったことで、これまで見えてなかった家族の優しさが身にしみてわかったそうです。入院中、家事全般を見事にこなしママの役割を果たした子どもに「健康であれば、それでいい」と素直に思えたそうです。

 お手伝いエピソードの他にも「テレビやユーチューブを見ている子どもに、ついつい苛立ってしまい、どう改善すればいいのか頭を悩ませている」という声が複数ありました。注意をして「だったら何をしたらいいの?」と子どもに聞かれたら、どう答えていいのかわからず頭ごなしに叱ってしまうというママが多かったです。先ほどのエピソードでも、お手伝いによって親子の絆が深まることがよくわかります。つまりお手伝いをすることが、子どもの「暇」の解消にも繋がり、更に親子のコミニュケーションを深めるツールにもなると言えるのではないでしょうか。



 今回の講座では「フィンランドの教育」(マイケル・ムーア監督「世界戦略のススメ」原題WHERE TO INVADEシリーズより)の映像を視聴していただきました。今では世界で行われる学力試験でトップクラスとして知られるフィンランドですが、以前は子ども達の学力低下が問題となっているアメリカと同等レベルの学力だったそうです。

「飛躍の裏側には何が?」

その背景を探るため映像の中では、マイケル・ムーア監督がフィンランドを訪れます。フィンランドの学校取材を通して次のようなフィンランド教育の成功の“秘密”を明らかにしました。

フィンランドの教育では・・・

  • 宿題がない(脳を休ませ子どもらしく日々を楽しませるため)

  • 私立校はほとんどなし、どの学校でも学力レベルが同等(学校を選ぶ必要がない)

  • 高校生は、母国語以外の言語を最低2ヶ国語以上話せる

  • 統一テスト廃止(テストで点を取る練習は「教育」ではないから)

  • 学校は幸せになる方法を見つける場所(どの教科の先生も「幸せに生きる方法」を根底に教えている)

  • 脳を活性化することに力を入れている(音楽・料理・美術など)

  • 将来を見据え希望に沿った内容を教えている(将来何にでもなれるという、夢の第一歩のための技術的教育)

  • 問題意識を持って自分で考えさせる


マイケル・ムーア監督がアメリカの教育と比較して驚いたように、フィンランドの教育は日本の教育ともかなり様子が違います。

映像視聴後は「フィンランドの教育から私たちが学べること」についてグループに分かれてダイアログ(対話)をしていただきました。

ママたちから出た意見を一部ご紹介します。


●自分で考える能力を身につける教育に共感。

●宿題がないのは心配になってしまう。

●もっと遊ぶ時間を増やしてあげたいと思った。


●日本の子どもは、宿題にしても何にして

も、与えられたものをこなすことが多い。親も学校任せにしないでそれについては考えていく必要があると感じた。


●フィンランドのことを子どもに教えてあげたい。子どもの時から自分の生きる道を探し、自分の責任で物事を考えていく力を身につけてほしい。

●学校での課題や友達関係は、親が口出しすることではないと改めて思った。


●私は子どもの頃、フィンランドの子どものように自由に遊んでいたが、親になった私は遊びよりも学歴を重視してしまう。本心では自分の幸せを感じられる人になってほしいと思っているのに。

講座の最後は、振り返りを行いました。

先日の講座で「子ども達にはモノやカタチを追い求める生き方ではなく、嫌なことも含め、自分の感情をないがしろにしない生き方をして欲しい。」と話していたママは、今回の振り返りでは「最近小さなことにも幸せを感じます。これまで幸せって頑張って勝ち取るイメージだったのですが、身近に幸せってこんなにもいっぱいあるのですね。」と穏やかな表情で話されてました。その様子から、前回とは違いモノやカタチだけではない“幸せのカタチ”を見つけ始めているママの笑顔が印象的でした。


 フィンランドでは、子ども達の幸せを考える教育が行われています。このママ朝カフェでも、子どもたちに何をさせるかという視点から、どうすれば幸せになるかという視点に変化し始めているママが増えてきました。

次回は12月13日に「ママ朝カフェ」を実施します。

子ども達の未来のために何ができるのか、次回もママ達と一緒に考えていきたいと思います!


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