• こころ館研究員

企業でも「わたし研究室」October



今年4月よりスタートした、(株)ヒューマンフォーラム様の「わたし研究」研修は、早くも今月で第7回目を迎えました。

皆さんには半年間、自分の中にある「回避性」について、じっくりと向き合う時間を持っていただきました。

「わたし研究」のワークは、立ちどまって深く自分を観察し普段見ようとしない

自分自身の感情に気づくことを大切にしています。

これからの自分の生き方や働き方をより豊かにするためには、自分自身を深く知ることが重要となるからです。

特に、これまで目を背け、自分の回避してきた感情にフォーカスしていただくことにしています。回避することで逆に自分の成長を止め、感情を歪めてしまっていることに気づいていくと、徐々に自分の駄目だと思っていた部分を認めるようになります。偽らない自分を知り開示することで、「自分らしく生きる感覚」が生まれ始めます。

今回のチェクインでは、研修を受ける前と今の変化についてお話ししていただきました。

すると全員の方が、研修前と今とでは物事の感じ方、仕事での人との関わり方に大きく変化を感じているようでした。


30代の女性リーダーAさんは、とても頑張り屋で、部下をぐいぐい引っ張っていくリーダーシップの持ち主です。チームの人間関係が上手くいかない時期もあったようで、研修の中では開示がなかなか進まず苦しんでおられる時期もありました。しかし、5回目あたりから表情が優しく穏やかになっている様子が伺えました。

Aさんがチェックインの時に、お話されたことをご紹介させていただきます。

「わたし研究」がスタートした当初のAさんの発言は、こんな感じでした。

“ 自分が期待するスタッフには、自分のやり方を理解してもらい従ってもらうようにしています。そうすることで、仕事の効率が上がると思っています。"

Aさんは、部下を引っ張っていくことが、リーダーの役割だと思っていたそうです。そんなAさんでしたが、今回のチェックインでは、こんなことをお話しされていました。

“ 先日、お店の入り口付近で、子どもが泣きながら弟とおばあちゃんを蹴ったり、傘で叩いたりしていました。慌てて助けに入り「どうして蹴るの?」と、その子の目を見ながら聞いてみましたが、返事はなく泣きながら私のことも叩いてきました。

その時その子のおばあちゃんから、お母さんが留守がちだということを聞き「寂しいから蹴るの?」と聞くと、一層大きな声で泣き出し、さらに激しく私を叩いてきたのです。


以前の私なら、「うるさいなー」とか「親がちゃんとしないから」と、相手を責めて終わっていたと思います。でもその時、その子の『心の痛み』に共感し、私が叩かれる痛みより、この子の気持ちの方が、もっとしんどいんだろうな・・・と思いました。

騒動がおさまった後、突然涙が出てきました。私を叩いていたあの子のしんどさとか、うまく喋れない辛さとかを感じたからです。

気がつくと、自分の気持ちが徐々に変わってきていて、今は人に対して「力になりたいな」と思える自分がいるような気がします。これが私の新しい目です。この研修がなかったら、気づけてなかった自分の気持ちです。”


自分の心の動きに、フォーカスする研修を重ねてきた6ヶ月。

人の気持ちに、寄り添えるようになったAさんの成長に、他の社員さんも感動されてました。Aさんだけではなく、人の気持ちに寄り添う空気は、チーム全体に広がっているように見えました。


さて、今回の研修では、「オープンセラピー」ワークを実施しました。

こころ館代表松原は、心理セラピストなので、プログラムデザインにもセラピーの要素が組み込まれています。

研修生の皆さんは、松原からの問いに答えながら、自分の気持ちと向き合い気持ちを深く掘り下げている様子がうかがえました。


これまで見ようとして来なかった気持ちを掘り下げていくと、心の奥底に隠していた本当の気持ちが溢れてきます。私たちは育つ環境で、様々な影響を受け大人へと成長します。多くの人は家族から影響を受けています。

それが、その後のその人の生き方に反映され、価値観を作るようです。

親だけではなく、兄弟からその影響を受けていることも少なくありません。

幼少期、家庭が荒れていたというBさん。

『家族の中では、自分の存在を消して生きていた。この状態は自分にとって何てことないんだ』と、悲しみを押し殺し自分の感情を無視することで、その場をやり過ごしてきたと話されていました。その方法が、自分を保つ方法だったそうです。

Bさんは、大人になってからも自分の感情を押しころすことが当たり前になり、40年近くそのスタンスで生きてきたそうです。

そんなBさんは、研修が始まった当初、

『研修なんて、適当にこなしておいたらいい。』と考えていたそうです。

しかし今では、真剣に自分自身の課題と向き合う姿勢で受講されています。

「自分をもっと良くしたいし、家族も幸せにしたいから・・・」とオープンセラピーの最後に呟かれた姿に、皆さん共感されてました。

心が解放された瞬間に立ち会えることが、何よりの私たちの喜びです。

私はスタッフでありながら、不覚にも涙してしまいました。


さて、開示が進んだ皆さんには「わたし研究」のメインワークに取りくんでいただきます。今回のワークで実施した、わたし研究シートとオープンセラピーから気づいた「自分の回避してきた課題」をテーマに掲げ、21日間の心の動きを観察する“21日間プログラム”の実践が宿題になっています。

「わたし研究」の山場とも言えるこのメソッド。


次の研修までに、皆さんにまた様々な気づき起こるかと思うと楽しみでなりません。

自分と深く繋がる、そして人と深く繋がる。

それが、こころ館の「わたし研究」です。

深く繋がり合う関係性ができてこそ、仕事の効率が上がる。

改めて、実感した研修でした。


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