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とよのわたし研究室(第2期) 総集編レポート|後編

豊能町とこころ館の共同プロジェクト「とよのわたし研究室」第2期について、3回連続で特集するこのシリーズ。前編中編に続き、後編は「研究テーマ発表会」にて行なった豊能町の未来を考えるミニワークショップの様子をご報告します。

ワークショップのお題は「次は、豊能町でどんな取り組みにチャレンジしたら良いだろう?」

研究生や地域内外からの来場者が交わり、4人グループに分かれてダイアログを行いました。



みなさんからは、どんなアイデアが生まれていたのでしょうか?

会場からいただいたコメントを一部ご紹介します。


●定年前のお父さんに向けた「オレの研究室」

「お父さんが変われば、地域が変わる、家庭も変わる!」を合言葉に、定年前から第二の人生をイメージトレーニングできる機会があるとよいのでは。関係者や近所の人など身近な人同士では本音を言い合えない可能性があるので、豊能町で場所提供を行い、他地域からも来てもらえる形にするなど工夫があると良さそう。


●人生100年時代のロールモデルの街になる

仕事を定年退職された方が多いことから、働いていた時には関わりの薄かった地域に対して、自分をどう活かしていけるのかを考える機会を設けるとよいのでは。その結果、関係人口が増え、地域がもっと元気になり、高齢者が活躍する街としてロールモデル的な地域になれるかもしれない。


●お年寄りの元気を支えるために

坂の多い街なので、お年を召されると、一歩外に出ることが難しくなってくる。ちょっと立ち止まって休憩できる場所を設ける、小さくてもいいからみんなで働いてお金が稼げるスペースを作るなど、気軽に関われて、お年寄りの健康増進とコミュニケーションの活性化をサポートできる取り組みができるとよい。


●自分らしくいられる人がいっぱいの町としてプロモーション

町のスローガンである「曲がりくねって、ただいま。」にも通じるように、自分らしい人がいっぱいで幸せな町、人づくりを大切にする町、人生いろいろあったけれど自分らしくいられる町として、もっとプロモーションできるのでは。


このように、すぐにでも実践できそうなアイデアが連発し、会場中で「ふむふむ!」とうなずかれる方の姿が。時間が足りなくなってしまうほどの、白熱のワークショップタイムでした。




正午にはじまった発表会も、気づけば閉会の時間です。


最後にゲストメッセンジャーを代表して、京都大学の吉田先生とオムロンの李さんから総評をいただきました。とても示唆に富んだコメントをいただいたので、お言葉をそのまま掲載させていただきます。

吉田先生:

まちづくりは英語に直訳すると、community developmentです。この言葉には、上から開発してあげる、お金が儲けられるようにしてあげるというニュアンスがあるようです。一方で豊能町のまちづくりというのは、community building であるなと。地域にあるものを活かしていく、身の丈からできることを探していく、まちづくりのあり方です。

現在、さまざまなことが自治体単体では実施できなくなってきました。行政任せにするのは1970〜90年代の考え方。次の時代は、みんなでやるしかありません。お金のないところでまちづくりをしよう、という発想を起点にすると、自分のアイデアが活きてくる。今回も自分の家を拠点にする、図書館を活用するなどのテーマが出ていましたが、個々人からその声が上がるのはとても大事なことです。

今この街に住む人が、一人ひとり自分をふり返って、今この場所にあってほしいもの、なくてはならないものをひねり出して、自分たちで何とかしようとする。こんないいことはありません。今後の展開をとても期待をしています。

李さん:

わたしは普段、オムロンのイノベーション推進室で新規事業を起こす仕事をしています。新規事業とオムロン、とよのわたし研究室には親和性があるなと感じながら参加させてもらいました。

新規事業を起こすには、各メンバーのWillが大事です。Willがないと、なかなか成功しないんです。みなさんの発表を聞いていると、まず自分を見つめて、自分の中には何の価値観があるのかを見つめながら、その目で社会を見たときにどういう風に交わっていけばいいのかを考えている。これはWillを掘り起こすプロセスと読み替えることができて、とても新規事業の創発に近いと感じました。

もうひとつの親和性は、我々も新規事業を起こすときに大事にしている『ひとりでやらない、チームでやる』。ひとりでやると、辛いことがあると折れてしまう。どこかに心理的安全性のあるチームと一緒にやっていくのが大事になります。そしてここ豊能町には、1期生、2期生、こころ館、役場のみなさんと、もうチームができている。それがすごいと思いました。

オムロンの創業者である立石一真の言葉に、“最もよく人を幸福にする人が、最もよく幸福となる”というものがあります。みなさんの発表の中にも、家族を幸せにしたい、地域を幸せにしたい、グローバルな目線もあり、いろんな人を幸せにしたいという気持ちがあふれていた。この取り組みは、他人を幸せにすることによって、自分も幸せになる素晴らしい取り組みだと思いました。ぜひ、男性向け、シニア向けサービスの開発もよろしくお願いします(笑)

お二人の総評にもあるように、わたし研究をしたみなさんは、自分自身を活かしてまわりの人や地域、社会を幸せにしたいと願われるようになりました。


ひとりの可能性は無限大です。

自分らしさを発揮して生きる人は、まわりの人や地域を元気にする。

自分らしく幸せに生きる人でいっぱいの豊能町は、

もうすぐそこにあると実感した研究テーマ発表会でした。


ご来場のみなさま、豊能町役場のみなさま、そして「とよのわたし研究員」のみなさま。この度は本当にありがとうございました!



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